「透析に行くと、潰しがきかなくなるんじゃないか」
転職を考えている方から、こういう不安を聞くことがあります。
透析は専門性が高い分野です。
だから「一度入ったら、他に移れなくなるのでは」と心配になる気持ちは分かります。
私は循環器病棟から透析クリニックへ移り、10年ほど働いています。
結論から言うと、思っていたのとは逆でした。
この記事では、実際に働いてみて感じたことを、良い面も弱い面も含めて書きます。
「透析は専門的すぎる」という誤解
まず、いちばん大きな誤解からです。
透析看護は腎臓だけを見る仕事だと思われがちですが、実際は違います。
透析患者さんは、合併症を多く抱えています
透析を受けている方は、他の疾患を併せ持っていることがほとんどです。
私はもともと循環器にいました。
でも透析に来てから、
といった他分野の疾患を持つ患者さんと関わる機会が増えました。
循環器にいた頃より、扱う疾患の幅はむしろ広がっています。

透析に来てから
勉強することが増えました。
狭くなるどころか逆でした。
看護技術からも、思ったほど離れません
もうひとつの心配が、「透析の針しか扱わなくなるのでは」という点だと思います。
確かに透析の穿刺針は太く、病棟の採血とは感覚が違います。
ただ、それだけをやっているわけではありません。
普通の採血もします
外来の対応や手術前の検査などでは、通常の静脈針で採血を行います。
透析の穿刺だけをしていると、感覚を忘れそうに思えますが、
実際には両方を使い分けています。
処置は、むしろ透析に来てから覚えました
これは意外に思われるかもしれません。
透析患者さんは、褥瘡や足のトラブルを抱えている方が多いです。
血流の問題や糖尿病の合併など、理由はさまざまです。
そのため処置の機会が多く、私は透析に来てから初めて学んだ処置がたくさんあります。
病棟にいた頃より、手を動かして覚えたことは増えたと感じています。
輸血や点滴も、日常的にあります
意外に思われるかもしれませんが、透析中に輸血を行うことはよくあります。
透析患者さんは貧血を起こしやすいため、必要に応じて透析の回路から輸血を実施します。
また、抗生剤の点滴も日常的にあります。
肺炎や気管支炎といった感染症で処方されることが多く、透析の時間を利用して投与します。
「透析は点滴をしないから、輸液の扱いを忘れそう」と思われがちですが、
実際は普通に扱っています。
実際に、他分野へ移った同僚もいます
これがいちばん確かな答えだと思います。
私の周りにも、透析から病棟や他の科へ移っていった方がいます。
「透析から他には行けない」ということはありません。
実際に移っている人がいる、というのが現実です。
もちろん、ブランクなく同じ働き方ができるとは限りません。
ただ選択肢が閉ざされるわけではないということです。
ただし、経験しにくくなることもあります
良い面ばかり書いても仕方がないので、弱くなる部分も正直に書きます。
透析クリニックだと、こういった経験は減ります。
急変対応の「頻度」
透析でも急変は起こりますが、頻度としては病棟より少ないです。
経験を数多く積みたいという意味では、病棟のほうが機会は多いと思います。
急変については、こちらの記事で詳しく書いています。
リハビリ・退院支援
入院設備がないため、退院に向けた調整や、多職種でのカンファレンスといった経験は積みにくくなります。
地域連携や在宅調整に関わりたい方には、物足りないかもしれません。

何を経験したいかによって
向き不向きはあると思います。
「専門を絞る」のではなく「軸ができる」
10年働いてみて思うのは、透析は専門を狭めるものではないということです。
腎臓を軸にしながら、そこに合併症として
循環器も、消化器も、整形も、脳神経も関わってきます。
軸が1本できたうえで、周辺が広がっていく感覚に近いです。
しかも透析は、どの地域にも施設があります。
技術を身につけておけば、引っ越しても働き先を見つけやすいという現実的なメリットもあります。
迷っている方へ
「潰しがきかなくなるかも」という不安で透析を避けるのは、もったいないと思います。
ただし、施設によって任される業務の幅はかなり違います。
処置をどこまでやるのか、外来対応があるのか、他職種とどう関わるのか。
ここは求人票では分かりません。
キャリアの相談から始めたい方へ
- 透析未経験でも受け入れ実績があるか
- 教育体制が実際に機能しているか
- 処置や外来対応など、業務の幅がどのくらいあるか
- スタッフの年齢層と職場の雰囲気
同じ透析でも、任される業務の幅は施設によって違います。レバウェル看護は、実際に入職した看護師さんへのヒアリングをもとに職場の内部情報を蓄積しているので、応募前に確認できます。
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まとめ
専門を絞ることを不安に感じるかもしれませんが、
透析は「狭くなる」のではなく「軸ができる」というのが、私の実感です。
透析看護に向いている人については、こちらにまとめています。



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